猫の肛門嚢炎|11日めに元気回復。17歳バアさま発症から生還まで

タイトルの文字

ねこのおしりの臭腺が詰まり、膿が貯まって腫れ上がってしまう”肛門嚢炎”(こうもんのうえん)をご存知ですか?

犬にはよくみられる”肛門嚢炎”。数は少ないですが、ねこちゃんでも患ってしまうことがあります。

2022年7月、17才になるうちの猫、みかんが”肛門嚢炎”を発症しました。

今回はこの病気の発症から、三途の川からご生還までをレポートします。

この記事は・・・・飼い主さんのご心配を減らし、ねこちゃんの健康の役に立つ記事になっています。ぜひ最後までお読みください

※最初にお断り

わたしはお医者様ではありません。
17歳のおバアちゃん猫みかんとふたり暮らしのもうすぐ還暦の独身会社員です。
もしあなたのネコちゃんに少しでも普段とちがう様子がみられたら、早めに病院を受診なさることをおすすめします。

ねこは「いつもとおなじ」をなにより好む動物です。
飼い主さんが「ん?なんだかおかしいな?」と違和感を感じたら、なんらかの異常が起きていると考えていいと私は思います。

猫の肛門嚢炎|症状・期間・完治まで飼い主が気をつけるべき点を解説

目次

猫の肛門嚢炎はどんな病気?気になる回復までの期間はどれくらい?

猫の肛門には、うんちの出るまんなかの穴より少し下、左右に2mmほどのちいさな穴があいています。

飼い主さんがしっぽを持ち上げてみるとわかります。

この穴は分泌物で黒く見えることも多いようです。

うちのみかんの場合は黒いゴマ粒がついているように見えていました。

  

ねこの身体の中には、この穴を分泌物の出口とする肛門嚢(腺)という袋が一対あります。

肛門嚢の中にクサいにおいのするペースト状または液状の分泌物が貯まっています。

健康なねこの肛門
元気な時のみかんの毛深きおしり(失礼)

分泌物をほんの少し出して、なすりつける事で自分のテリトリーを主張したりする「マーキング」を行うんだ

この肛門嚢(腺)が炎症を起こしてしまったのが肛門嚢炎(こうもんのうえん)、または肛門嚢(腺)炎です。

一度発症して、腫れた箇所が破裂してしまうと回復まで2~4週間はかかります。

ネットの情報では約2週間と短めな情報も目にしました。

私が行った病院では、ただれた箇所の肉が回復して盛り上がってくるまで約3~4週間とのことでした。

  1. しきりにお尻をなめる
  2. お尻にさわられるのを嫌がる
  3. 発熱・食欲不振などの不調が見られた
  4. 肛門嚢が破裂してウミが出ている

と、どの時点で治療をスタートしたかによって変わります。

うちの場合は、

  • 来院の10日ほど前からフードを残していた
  • 水はいつもと同じくらいの量、のんでいた
  • おしりを床にこすりつける動作は10日のうちに1.2度みたような気がする

という状態でした。

横たわる猫
病院から帰ったおばあちゃん、ぐったりしてます・・・・

初来院の日は、前日からあきらかに元気がなく寝転がったまま。

目は熱でうるんで黒目が目立ち、目ヤニもとろうとしません。

呼びかけても視線も動かさず耳もピクリともしません。

これはおかしい、と朝一番で来院しました。

猫の肛門嚢炎は命にかかわるの?キズ口があまりにも痛そうで心配です

毛を剃られ青黒く腫れたおしりを見るまで、うかつなことに私はまったく気がつきませんでした。

肛門左横の穴がウミで詰まり、袋の中で細菌が繁殖して皮膚が3×8㎠ほど盛り上がっていました。

そのせいで熱も40度ちかく出ていました。ぐったりしているわけです。

その段階での「肛門嚢炎(こうもんのうえん)です」という診断でした。

猫のまえあし
た、たすけて、、

発熱で食欲がまったくなく脱水症状もありました。

水分の点滴と、抗生物質の注射でその日は帰宅。それから2日ほどは何も口にしませんでした。

さいわい先輩ねこに対する自宅輸液の経験があり、今回は合計4回水分を皮下に注入しました。病院に通えないとき自宅でできるとたすかります

仕事があって通院がむずかしいとか、経済的にも通院より安くできます

下の記事に自宅での輸液の方法がわかる動画があります。

うちの猫の肛門嚢が破裂したのは初来院から3日後でした。

2、3日は動くたびに部屋のあちこちに点々とウミが垂れて悪臭がしていました。

ねこの肛門
腫れに気づいた翌日には袋が破れてウミがかさぶたになっています

ウミが出れば熱はさがるとドクターから聞いていたので、飼い主はそのウミをいそいそと拭いてまわりました。これは良くなってゆく経過なのです。

猫の肛門嚢炎で貯まったウミが破裂して流れだしてしまうと、キズ口にかさぶたが出来るまで肉の組織が赤くむきだしになります。(この段階では撮影している余裕はありませんでした)

見た目があまりにも痛々しいので、「こんなに大きなキズがあったら猫が死んでしまうのではないか?」と胸がつぶれるほど心配されている飼い主さんもおられますよね。私もそうでした。

でもご安心ください。

うちのかかりつけドクターの話によると、

ドクター

肛門嚢炎自体はそれほど珍しい病気ではありません。適切に治療をすればすぐにネコちゃん・ワンちゃんが亡くなるようなことはまずありません。

熱があると眠れない

ちょっと安心した?しばらくウミが出てお部屋を汚してしまうと思うけど、やさしい飼い主さんは怒ったりしないよね

17歳のうちのみかんは、発熱で食欲がまったく無くなってしまいました。

前出のドクターのおはなしにもあるように、猫の肛門嚢炎自体が死亡の直接原因になることはまずありません。

でも飲まず食えずの状態が続くと、年齢によっては衰弱して危険な状態におちいる場合もあります。

下記の時間は目安です。

  • 水なら24時間(おしっこがへる、脱水状態になる)のんでいない
  • フードなら48時間(脂肪肝になる可能性)食べていない

「いつもとちがうな」と感じたら、早めにお医者様に診ていただきましょう。

 

猫の肛門嚢炎はくりかえす?予防法はある?飼い主が気をつける点は?

月に一回くらい定期的に臭腺しぼり(肛門嚢しぼり)をする

猫の肛門嚢炎は何度もくりかえしてしまう子もいます。

それは肛門腺がたまりやすい体質のネコちゃん。

猫の肛門嚢炎に一度でもなったことがある子なら、月一回くらい分泌液しぼり(肛門腺しぼり)をした方が良いようです。

ねこちゃんの肛門腺しぼりのやり方動画(10分ほどです)

引用元チャンネル(205) 三ツ池動物病院チャンネル – YouTube

自宅での肛門腺しぼりはむずかしいかもしれません。動物病院で絞ってもらうのが早道でしょう。ネコちゃんに余計なストレスも感じさせずにすみます。

私も何度かトライしましたが、やはりつかまえていてくれる相方がいないと逃げてしまいました。

ちなみに、この一回目の傷がきれいになおってから1か月後、なんともう片方がまったく同じ状態になり、破裂しました。
気づいた時にはもう、猫が自分で膿んだところを舐め過ぎて穴が開き、血膿が出ていました。

2回目は膿が溜まって細菌に汚染されるまえに自分で噛み破ってしまったので、発熱もなく、2週間効果のある抗生物質を1本注射。
ずっと食欲も旺盛なままで、そろそろ傷口も見えない位小さくなりました。
エリザベスカラーをずっとはずせなかったけど、通院は1階で済み、経済的には助かりました。

これからは定期的に肛門腺をしぼってよね
年齢のせいで臭腺付近のおしりの筋肉が弱くなったのが原因て言われたよ

【肥満も大敵】運動や食事に気をつかって太らせない工夫をする

猫の肛門嚢炎を予防するには、運動させて適正な体重にたもつことも大事なことです。

うちも悩みなのですが、高齢になるとゴロンと寝転がったままなかなか遊んでくれません。

みよーんとなる猫
ぽっちゃりおなか

好奇心を刺激して運動量をふやしましょう。

わが家ではオヤツを手に飼い主が走り回って鬼ごっこをしています。
特にちゅーるへの執着たるやスゴイものがあります。
この作戦はけっこう運動してくれるのですが、猫より先に飼い主がバテるのが難点です。

ねこちゃんがくつろいでいる時、やさしくマッサージして腸の動きをスムーズにするのも良い方法ですね。

便通をうながし肥満予防につながります。

猫の便秘にマッサージ動画(1分ほどです)

引用元チャンネル(205) nao mi – YouTube

食欲のないときは消化管の中がからっぽになっていることがあります。

食事が再開できたとき腸がうまく動くように、気がついたらこまめにお腹マッサージをしていました。
一日10回くらいやったかな。そのせいか、回復期に急激に食欲を取り戻した際も嘔吐したりはしませんでした。

【ロングヘアの子は要注意】お尻まわりをこまめに清潔にたもつ

ペロンする猫

チンチラやバーマン、ラグドールなどロングヘアのねこちゃんは、お尻まわりの毛がウンチで汚れがち。
猫用バリカンでカットしてあげてください。

ウンチがすんだら濡らしたタオルやペット用ウェットティッシュで拭いてあげてください。
こまめなお手入れで清潔をキープしてあげましょう。

  • お尻まわりがジメジメ濡れていないか
  • お尻をさわるとギャッと鳴いたり、怒ったりしないか
  • お尻を床にこすりつける動作はないか
  • 臭いにおいがしないか

飼い主さんが普段から気をつけてあげていれば、うちの子みたいに痛い思いもさせなくてすみます。

わたしはダメな飼い主です。あなたはどうか、後悔しないでください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたのねこちゃんが幸せでありますように。ふじみのでした。

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この記事を書いた人

1963年生まれ。グラフィックデザインの仕事をしています。わるいやつじゃないです。定年前後の働き方・ハゲてるからこそわかったこと・芸術・デザイン・ねこについて主に書いています。

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